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小川町小瀬田プロジェクト

koseda.exblog.jp
by koseda
小川町の小瀬田を舞台にした、自然景観の回復、農業の体験などを通したローカリゼーションの実践的な学びの活動記録。
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バイオガスプラントにて生産された液肥の施し、田んぼの補植など
2008年 06月 21日 |
 今日の作業は田んぼの補植。田植機の調子が悪く、一部植えられていないところに、苗を植えた。田んぼの中は、まさにビオトープ状態。雨蛙のちいさなオタマジャクシや、豊年エ
ビ、ヤゴ、ホタルなど、数多くの生き物が観察された。
 作業後、後片付けをしようとして土手を降りようとした人がずるりとすべり、水路に足を突っ込みすりむいた。特に雨の後などの田んぼ沿いの土手はやはり危険であり、配慮が必要と思った。



●節気:二十四節気:夏至(げし/陽熱至極し、また日の長きのいたりなるを以て也)
     七十二候:乃東枯るる(ないとうかるる/夏枯草(かごそう)が枯れる)
      ※夏枯草=ウツボグサ(シソ科)の花穂
●天候: 雨のち曇り、その後晴れ
●参加者:ウッチー、Q、Nakano、加藤久人、Ohata、トミ(PMから) 計6人
●活動概要
・見学(小麦の乾燥状況、果樹園(高谷)、イオガスプラントなど)
・ハウス内で生育中のキュウリに、バイオガスプラントから取り出した液肥を施す(小瀬田)
・田んぼの補植(小瀬田)

●活動詳細
<見学(小麦の乾燥状況、果樹園(高谷)>
・小麦の乾燥状況見学
  雨になる前に機械で刈り入れ、麦扱きされた小麦を機械で乾燥中。

・高谷の果樹園見学
 小麦の刈り入れが済み、藁が敷かれている。
 スモモ、モモ、アンズの樹間には、キュウリ、ナス、スイカが作られている。
 果樹園の入り口側、鎌倉往還沿いに植えられているクワの木には、トルコ原産のクワの実が真っ白に熟している。非常に上品な甘さで美味しい。在来のクワの実は安定しないが、この種類はとても甘くなるので、これなら引き売り用に出荷できるかも。
 葉の無い冬の間に根元で伐ったクワの台木にトルコ原産のクワの木の枝を接ぎ木する。
 クワの木の根元に繁茂するカラムシは、衣料用繊維作物として懐かしい未来の人達で利用できる方法があるかも。

<バイオガスプラント>
・バイオガスプラント見学
 NPOふうどが建設した稼働中のバイオガスプラントで生産されたガスを取り出した後に生じる液体肥料を、軽トラックの荷台に載せたポリタンクに充填。液肥を利用する農家は、備え付けのノートに取り出した量をその都度記入し、後日精算することで、すべて自主管理でなされている。
 プラントには、学校給食の残飯が町によって集められ、粗砕、粉砕を経た後、嫌気(けんき)式発酵槽に投入され、メタンガスと液体肥料が生産される。プラント施設の屋根には太陽光パネルが設置され、現在も発電中で余剰電力を売電しているが、近い将来、ホンダとの協同技術によってコジェネ発電用としてメタンガスも使う予定。
 液体肥料は、とくに強い悪臭ということはないが、生ゴミを槽内に直接投入して最初からいきなり発酵工程に入るため、一度、牛等の消化器官を通過してくる家畜糞を利用して作られるバイオガスから生まれる液体肥料の香りのほうがマイルドで良いにおいがする。

・小瀬田のハウスで液肥を施す
 バイオガスプラントから取り出した液肥は、小瀬田のビニールハウス内のキュウリに細流(点滴)灌漑方式によって施す。普段、用水路から引いている水を導く、細かい穴をいくつも空けたホースに、液肥の取り出しパイプを付け替えて、キュウリの株元にくまなく行き渡らされる。キュウリの葉の黄変化が見られたため施肥をすることになった。
 キュウリは上に伸びようとしていくため、上部は切り詰めて横に広がるようにする。茎の下部の成長しきった葉はどんどん取り除き、花実のほうに栄養を導く。また、生育初期の段階で実をつけ始めても七節目までは実が大きくなる前に取り除けば、タネの生産にエネルギーが向かわず、より多くの実をつけようとする。

<田んぼ>
・補植
 田植機の調子が悪く、一部植えられていないところに、苗を植える。
 苗のうち、育ちが良く、ぷっくりと太いものを選んで未植箇所に田植え。田植えは、人差し指、中指に親指を添えて、根近くをつまむようにし、そのまま泥の中に30cm幅で挿す感じ。苗は根が張り、なかなか外せない。実際に植えるよりも、外す方に時間がかかった。

 ・田んぼの生きもの
 まさにビオトープ状態。雨蛙のちいさなオタマジャクシや、豊年エビ(エビといってもミジンコ亜綱(鰓脚類) (Branchiopoda)の一種で、カブトエビやミジンコの仲間)、ヤゴ、ホタル(1匹は桑原さんの腕にしばらくしがみついていた)、浮き上がったイネに産みつけられたアマガエルの卵など、数多くの生き物が観察された。
 上空では、交尾中のトンボがハトに追跡されるという「トンボ危機一髪」の場面を息を飲んで観察した。トンボは、無事逃げおおせた。

・ナツミラ田んぼの様子
 草がかなり出ているが、もう一度人力で代掻きをするか、最悪、雑草を泥の中に埋め込むか?代掻きができればしようということで落着。

・「インカのめざめ」の収穫
 芋畑の最西端の「インカのめざめ」を一部収穫、一人5個程度持ち帰った。

●四方山話
・豆科植物と根粒菌の共生関係
 根粒(こんりゅう)は、細菌との共生によって植物の根に生じる瘤のこと。この根粒菌が、待機中の窒素を固定し、宿主である豆科植物に供給するという共生関係が成り立っている。根粒菌の方は宿主の植物から光合成産物をわけてもらう。豆科の植物は、この菌の存在なくしては生長できない。不思議である。
 大豆に関しては、ずいぶん以前、1月頃だろうか、わが家で豆よりしながら話したことがあった。肥料をあげても大豆は実を多くつけることはない。(始めの生育の時の少な目の肥料は効果があるが)かえって大豆の茎を伸ばし葉を茂らせてしまい、実つきが悪くなる。実をつけるタンパク質は根の根粒菌由来のものが大きい。だから大豆は肥料ではなく地力で作るといわれている。
 大豆栽培のポイントは土寄せと水分。土寄せは株の両側の土を寄せる作業。根粒菌は土寄せによってできた、空気と水分を含んだすみかが大好きなので、どんどん大豆に栄養を送ることができるという訳。
実に3割以上のタンパク質を含んでいるのは驚きだが、考えてみれば空気の7割は窒素。大豆は身の周りにあふれる窒素を微生物の力でわが身に蓄えているという訳だ。
 不思議な植物だ、豆、とりわけ大豆は。
窒素固定をする植物はみじかに結構いる。小瀬田で見かけるものとしては、畦のねむなどのマメ科だけでなく、ハンノキや奥の斜面のヤシャブシも窒素固定菌と共生している。

・なつみら畑
 ミヤマコカブ、小さいのを試食。うまかった。カブは肥料を与えて、素早く生長させたものが柔らかくておいしい。じっくり生長したものは堅い。
 ヤツガシラがようやく確認できた。埋もれる前に草刈りをしないと!
 エダマメの株間に播いた和棉は、忘れてて草刈りとともにほぼ姿を消した。
 二粒播いたモチキビのうちの一つだけが出ていた。
 その隣に、古いレインボーインカ(中南米在来トウモロコシ)のタネを数粒播く。

・養蜂箱
 蜜柑蜜を絞った後に都幾川村から小瀬田に帰ってきた巣箱のミツバチ達は、まだ雨が降る午前中でもせっせと活動している。小瀬田周囲のクリの花が満開で蜜を集めるには好都合。うち一部の箱では、分封(ぶんぽう)の準備をしていた。入り口で大勢の働き蜂が待機しているのがその兆候。分封すると働き蜂のが元の女王蜂と一緒に飛んでいってしまい、蜜の量が巣箱に残ったハチ達の消費分だけで手一杯になり
 余剰分が無くなるため、次のシーズンの採蜜が難しくなる。そのため分封※させないように新しい女王蜂を殺さなければならない。
   ※分封=春や夏に、ミツバチ類に新しい女王蜂が出現したとき、今までの女王蜂を
    含む一群が古い巣を新しく生まれた女王蜂に譲り渡して新しい巣を作ること。
    巣分かれ。


 ・田んぼにて
 よく、「除草剤一回だけで、あとは無農薬無化学肥料」という表示で米を栽培しているところがあるが、現代の除草剤はとても強力で、イネの生育において最初の2ヶ月間だけ効力を発揮し、管理上は楽になるものの、その毒性がどこまで環境に影響を与えているかの追跡研究はなされていない。そのため、何世代にもわたって生き物に影響を与えないという保証はなんらなく、その一回だけの使用でも生命の連鎖は断ち切られるので無農薬の意味がなくなる。

●その他
・事故
 後片付けをしようと土手を降りようとした人がずるりとすべり、水路に足を突っ込み、すりむいた。左の肩も大いに伸ばし、実はすごく痛かった。が、肩が回るようになり、事故前よりもいい調子。足はまだ腫れている。
などといったことはともかく、特に雨の後などの田んぼ沿いの土手はやはり危険ということを認識。安全な上り下りのルートを示すなどの配慮も必要かと思う。特に、初めての人たちが多くなりそうな時(6月28日など)は要注意。

・作業後
 玉川温泉へ。入浴料700円に500円追加の1200円で、カレー、蕎麦、中華丼などを食べられるセット料金で全員入浴。気持ちよかった。やはり泉質は最高。
 受付のおじさんも最高だった。
                                                  以上
<記録:加藤久人>
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